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<<   作成日時 : 2007/10/07 08:59   >>

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「カット!」

プロデューサーの声が響く。

「お疲れ様!いい絵が撮れました!」

…小声の会話は聞き取れなかったらしい…くったくない笑顔で近付いてきた

「この後 キョーコさんの姿が白い羽になって消えていく画像処理が入ります。」

「わぁ…!素敵ですね!幻想的で!」なんだか天使みたい!気分がいい!

「お、おそれいります」プロデューサーが赤面した。

「キョ、キョーコさんのおかげで 想定以上にいいものになりそうです!
ありがとうございました!」

「いいえ、こちらこそ。当方の失礼を、快くお許しいただいてありがとうございました。」

おかげで
心のどこかが すっと軽くなった。

「ショーちゃん」が この世の全てだったときがあった。確かにあった。

でも
私には もっと 大切な存在ができた。

私を支えてくれた 大きくて深い愛で私を包んでくれた…もっと愛しい人に逢えた。


帰り支度を整えて、
スタッフの皆さんお一人お一人に 挨拶をしたあと 最後に尚の控え室に向かう。

ノックに答えて、ドアをあけてくれた男性マネージャーさん
(祥子さんは 今は本社勤めらしい)は
そそくさと外に出て行ってしまった。

尚は、まだ さっきの衣装のまま ソファに座っていた。

「不破さん 本日は ご迷惑おかけしました。私を採用して頂いてありがとうございました。」

他の皆さんにしたのと同じ挨拶。きちんとお辞儀をする。

ショーは、じっと床を見つめていて 返事もしない。

「それでは、失礼します。今後の活躍 お祈りいたします。」

こうして 彼に会うのはもう最後だろう。

「…キョーコ…」

ドアを開けて帰ろうとした私を 尚の声が呼び止めた。

「はい…?」

…!

いきなり 抱きすくめられた!ドアに体を押しつけられる!

「なに す…!」

…というまもなく 口づけがふってきた!
さっきの…撮影の時とは 比べものにならないほどの…激しい

必死にあらがっても びくともしない!!

― どんどんどん ―

背後のドアが すさまじく 強いノックで揺れた。

やっと ヤツの唇が離れた!

「失礼。不破君。敦賀です。」

…!蓮!?

ぞぉっっと 背筋が凍った…こ、こ、こ、こここの…声のトーン!

「開けて頂けるかな?」

知らない人が聞いたら 愛想の良さそうな言い方だけど…!

お、おおお怒ってる!
深く静かにものすごく!!!

「できたら…ドアごと 蹴り倒したくはないんだけど?」

ふぇぇーーん!やっぱりっっっ!!

画像


「お久しぶりです…敦賀さん…相変わらず ご活躍のようでなによりです。」

「君のほうこそ。同じ日本人として 誇りに思うよ。」

実に 大人な完璧な会話だ…。言葉だけは!

でも、なぜだろう…。
空気中の水分さえもが凍って粒になってしまいそうな寒さを感じてしまうのは!

「…よく ここがおわかりで…急な交代でしたのに。」

そうよ!
事務所には 厳重に口止めしてたのに!

そりゃ 発売したらばれるけど
その前に ちゃんと説明するつもりだったのに!

「事務所に立ち寄ったら なにやら 様子がおかしかったので 
主任に丁重にお願いして 事情聞かせて頂いてね。」


きらっきらっっ きらららっ

さわやかな笑顔のキラキラが ぶすぶすと胸をえぐってくる!

思わず!
心の中で祈りをささげた!

ごめんなさい!

堪主任!さぞや 恐ろしい思いなさったんでしょうね!!

「このたびは、『永遠の妖精』と評判の奥様に、出演して頂けて光栄です。」

「お役に立てたなら、うれしいよ。」

「…ええ…充分に…おかげさまで、役得 存分に堪能させていただきました。」

な!なななんて 言い方するのよ!ばか尚!

「…役得…?」

すっと 蓮が私を振り返る。

「いったい…どんなシーンだったのかな?」

うぅぅ!
ぱっかりと 目の前に地獄の釜が開いてる!!

「なんでしたら 再現しましょうか?今、目の前で」

尚!おもしろがってるわね!?さては!

「結構!!」

 がたんと蓮が立ち上がった。

「俺達は ここで失礼します!不破君 もう会うこともないだろうけど、お元気で!」

吐き捨てるように言い放つと 私の腰を抱いて立たせる。

「敦賀さん…」

ぽつんとつぶやくような小声だったけど…その声にひそむ何かが蓮を振り返らせた。

「オレの大事な宝物…大切にしてくれなきゃ…困りますよ。」

「…っ」

「…つい…取り戻しに行きたくなるような…マネだけはしないでください…これからも…」

…!

「…ああ…。」

「キョーコ…」

「…え…?」

「ありがとう…最後に逢えてうれしかった…」

「ショー…」

「じゃあ、お気を付けて…もうお会いすることもないでしょうが…
CDは、出すたび贈呈させて頂きます。今まで通り」


今まで…?
そんなもの…一度も受け取ったこと…

「ありがとう…喜んで聴かせていただくよ。」

「光栄です」

その笑顔は 寂しそうだったけど なにかを吹っ切った感じだった。

もう会うこともない…。
私は、もう 彼とは、まるで違う時を生きてる。

「失礼しよう…キョーコ」

「ええ。」

二人で、部屋を後にする。

蓮が優しく腰を抱いてくれる、いつものように。
私は その胸にもたれかかる、いつものように。

ここが私の定位置。
在るべき場所…。

この優しいぬくもりが、いつのまにか私の支えになっていた。

「皓には 今夜 奏海連れて 社さんのお宅に泊まらせて頂くように電話したから。」

…は?

「ど、どうして…」

「いつもいつも 京也君とこばかりじゃ あんまり佑人君に不公平だろ?
社さんにも逸美ちゃんにも 前々から抗議されてたし」


「そ、そういう意味じゃなくて!」
なぜ、子ども達 外泊させる必要が…!

「…ゆっくりと…」
腰に回った蓮の手の力が強まった。

「夫婦の語らい…したくてね…存分に」
 
…!

「良かったね 明日は お互いOFFで。」

さわやかな笑顔の影に 大魔王がいる!!

「再現してもらおうか…今日のシーンとやらを…。」

ほほえんでる顔の…その眼が まるっきり笑ってない!


ふぇぇーーん

こ、この大魔王部分さえなきゃ!
完璧 いい旦那様なのにぃ〜!

あんまりいじめると また跳んじゃうんだからぁ…!!

イラスト「薔薇」(LIttle Eden様)

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