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zoom RSS 『出雲物語』〜こぼれ玉〜 bX(side:楓)

<<   作成日時 : 2008/02/19 19:14   >>

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「楓様…お主上が…」

 女房の一人が ひそやかにことついできた。

「追い返しなさい!」

「は?」

「『玉藻様は たいそうご気分がお悪く お休み中でございますから ご遠慮ください』
 …と いえばいいの!」

「そ、そのような ご無礼なことは!」

「じゃあ 私が言います!!」

 すっくと立ち上がる。

「か、楓様!!」

 あんのぉぉぉぉぉ〜!

 帝の皮 かぶった けだものが!

 よくもよくも 玉藻様を こんな目に!!

 一言も二言も 百言も 言ってやらなきゃ 気がすまない!!

 玉藻様の枕もとから そっと離れ 音を立てないよう気を使いながら 御簾を出た。

 先触れも早々に 政親殿が せかせかとやってこられる。

「楓殿!た、玉藻は!!」

「お静かに。よく お休みになっておられますので…。」

「あ、ああ。」

 真正面から じっと冷たい目でにらんでやる。

「あ、あの…か、楓…どの…。」

「…なんでございましょう?」

「た、玉藻に 逢いたいのだが…。」

「…まだ…このうえ あの幼いお方に 苦行を強いるおつもりですか…。」

 3日3晩 閉じ込められてた寝所から
 やっと(本当に ようやく!)解放されたのは わずか 3刻(6時間)前!

 蒼白なお顔でふらつく玉藻様に
 強いて薬湯をお飲ませし ようよう寝付かれたばかり 

 その安眠を妨げることなど 許さない!誰であろうと!!

「…そ!」

 たちまち 帝が 真っ青になる。
 
「そ、そんなつもりは ないのだ!た、ただ…顔が見たい!」

「失礼ですが、今日は お引取りを。よくお休みですのに お起こしするのは お気の毒です。」

「起こす必要はない!」

 一転して強い調子で 従兄弟が言う。

「…そばにいたいだけ…だ。そこを通せ!楓!」

 …!

 その声の調子におされて 体が引けてしまった。…思わず…。

「…玉藻…」

 御簾の中に入ると
 そっとつぶやいて 帝が 玉藻様の枕もとに座られた。

 玉藻様は 薬湯のおかげで ぐっすりお休みだ。

 お美しい ぬば玉のお髪が 褥の上にゆるやかに広がっている。

 帝は うっとりと いとおしそうに そのお髪をなでておられる。

「…朝餉は…」

 そのひとふさを 手にとり口付けながら 聞いてきた。

「恐れ多いことですが しかりつけるようにして 召し上がっていただきました。
 お吸い物が 精一杯ではありましたが。」 

「そうか…夕餉は しっかりとらせねば…な。」

 指先で 玉藻様のほほや唇を そっとなでながらつぶやかれる。

「夕餉は、私もここでとろう。刻限になったら また来る。」 

 ため息をつきつつ 重い腰をあげられた。

「政務をおろそかにしたら…玉藻のほうが 非難されかねないから…な。」

 よく わかってらっしゃる!

 楊貴妃と玄宗皇帝だって!
 どうみたって悪いのは 嫁に熱上げて息子から奪った皇帝なのに!

 楊貴妃のほうが 処刑されちゃったんだから!!

「続きは 今宵の寝所まで 我慢するとしよう。」

「は?!」

 い
 今 なんて!?

「それまでに 充分 体力を回復するよう…世話を頼んだ…楓殿。」

 …!!!!!!

 し

 し

 しんじられない!!

 どっ、どういう神経してるのよ!!この男!!!
 
「み、帝!」

「剣でも 弓でも…」

 しれっとした顔で
 元やんちゃ坊主な従兄弟が 言い放つ。

「何事も 練習が肝心。なれてしまえば 大丈夫だよ。」

 きゅらきゅららきゅららら

 〜〜〜!!!

「では、また後で」

 実に さわやか かつ 優雅な笑顔で 狼男…もとい 帝は立ち去っていった…。

「か、楓さま!!」

 女房が おろおろしている。

「…静かに 玉藻様が 起きてしまわれるから…。」

「は。で、ですが…あの…。」

「お食事以外は…こうして お休みしていて頂きましょう…できるかぎり…。」 

「は、はぁ…。」

 くぅぅぅううううぅうううう!!

 だれか!

 なんとかしてよ!あのとんでもない男を!!!

 

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コメント(4件)

内 容 ニックネーム/日時
楓を以てしても『帝の皮 かぶったけだもの』は止められませんでしたか…。
『練習』だなんて、楓も呆れてものが言えなかったかな(笑)。

『けだもの』でも『ヘタレ』でもどんな蓮でもOK!
蓮スキーは心が広〜いのですヨ(たぶん)。
もみー
2008/02/19 21:14
ここまで開き直られると、逆に爽やかですよね…。
「練習」と銘を打って好きなだけ玉藻を召し出すわけね。
これが蓮ならばこそ笑って流せるけど、万が一別の男だったら激昂ものだな、などと冷静に分析する私は間違いない蓮キョ派。
楓の憤慨振りがナイス…。誰も止められない帝のようですが、おそらく一旦落ち着いて免疫が付いたら(色んな意味で)帝の手綱を操れる一番の強者は玉藻ちゃんじゃ…。
markura
2008/02/19 22:27
玉藻の繊細な身体は剣や弓やとは違うのよ!!と、突っ込んでしまいました(^^;)
もしかしてあまりにも進展してくれない本編に焦れた本誌の蓮(または読者達)の生霊がこちらの蓮に乗り移って、本懐とげまくっているのでしょうか(笑)
ことりん様、蓮スキー、っていうかキョーコスキーをなめて貰っちゃあ困ります(被害にあってるのはキョーコちゃんだから・爆)
もみー様の仰るとおり、『獣』だろうと『へたれ』だろうと『変態』だろうと『鬼畜』だろうと『ロリコン』だろうとetc・・・・とにかく、ひろ〜い心で受け止めます!むしろ馬鹿な子ほどかわいい!!!
ドンとこい!
李那
2008/02/20 00:20
皆様…ほんとうに 広大(すぎ)な お心のこもったコメント…ありがとう存じます… ( ;)

なのに なぜでしょう…
 皆様が 力強く保障してくださればくださるほどに 胸に ずきんずきん来るのですが…! ;−;

 で、でもまあ…皆様が そうおっしゃるなら 続きは出してみますが…い、石投げちゃいやですよ?(おどおど)
 
ことりん
2008/02/21 20:55

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