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zoom RSS 『出雲物語』〜こぼれ玉〜 bP5(side:玉藻)

<<   作成日時 : 2008/02/28 19:38   >>

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「…帝が お見初めになられたとは、どれほど臈長けた女性かと思っておりましたが…」

 4日前

 上京してすぐ、
 祐規様に連れられて ご挨拶に出向いたのは

 後宮で1番権勢がおありだという 梅壷の女御様の元。

「まあま ほんに ねんねさんではありませんか。お可愛らしいこと!」

 たいそう 優雅で臈長けた お美しいお方だった!

「よろしければ 私が子どもの頃 遊んでいたお人形など さしあげましょう。」

「まあ、それがよろしゅうございます!女御様!」

「ええ、ええ。さぞや お似合いですわ。」

「帝も 罪なことを!気まぐれに 野の花を 手折られて わざわざ 京まで!」

「まことに!花には 花ごとに合う土がございますのに…!」

 女御様のお言葉に 女房方も 更に調子を合わせてこられる。
 
「ご心配はご無用ですわ。出雲の巫女殿。」

 いかにも お優しく 梅壷様は ほほえまれた。

「もの珍しさゆえ ほんの一時のお気まぐれ。ひと月…長くても せいぜい ふた月ですわ。」

「帝のお気がすんで、ご退出の折には たんと金子がいただけますし」

「女として、最上の箔がついて、先々 縁談も降るようにございましてよ。」

 ほほほほほ

 女房ともども 楽しそうに お笑いになった。

 ひと月!
 ひと月 我慢すればいい!

 長くても ふた月!!

 その間だけ 我慢すれば!!

画像



 ぴぴぴぴっ ちゅんっ ちゅんっっ

 どこからか…小鳥の鳴き声…

…朝…?

 …!

 …え?

 がっちりと 何かに囲まれて うごけ…

 …!?

 高価な伽羅の香り…

 え?

 え?え?

 つややかで  
 なめらかな 絹の褥…!

 しっかりと私を閉じこめている…帝のお腕の中!

 …いつのまに…
 
「…起きたのか?玉藻」

 帝が 優しく お声をかけてきて。
 私の髪に ほほに おでこに 口づけてくる。

「…は…」

 ど
 どうして 私…

 昨夜は 確か 名月を…

「…もう 離さなきゃならないのか…」

 ふうぅ

 帝が 重いため息を はかれる

「あの歌の心情がよくわかる…。『暁ばかり 憂きものはなし』…か」

 …。

 全身が…重くて…だるい。

 この感覚には イヤと言うほど 覚えがある…。

 昨夜は…
 お酒のせいで 記憶がないけれど…。

「そなたに逢えて…やっと いにしえの歌人の想いが 身にしみてわかってきたよ、玉藻。」

「…え…?」

 じんわりと
 にじみでそうになった 涙が止まってしまった。

「本当に 私は無骨な男だったんだと 思い知った…つくづく…・」

 …。

 一枚だけ上げられた 御格子のすきまから 朝日が差す。

 その陽射しに負けないほど まばゆく麗しい尊いお方

 今、
 そのまなざしが まっすぐに私を見つめている。ひたむきに…真摯に。

「思えば つまらない人生おくっていたのだ…そうとも 気づかずに…な。」

 ぎゅっっと 胸の中に 抱きしめられた。

「み、帝…」

「今日は 賀茂神社で 神事がある。ともに参ろう。あそこの萩は 今が見頃だ。」

「…え…あ…は…」

 きゅらきゅららきゅららら

 格子越しに差し込む朝日より
 はるかに さわやかで すがすがしい笑顔…。

「…おはようございます…!帝!お目覚めの お時間でございます!!」

 楓の声…

  な、なんだか すごく剣があるような…

「…起きてるよ きゃんきゃん わめかずとも…。」

「いいかげん 玉藻様をお離しくださいますように!…でないと…皇太后様に…ご報告…」

 ぱっ

 即
 帝が 顔を上げられた。

「い、今 返す!返すからっ!」

「お急ぎを…!後宮の皆様が お起きになられるまえに お部屋にお戻ししませんと…。」

「…ああ!」

 不機嫌そうに言って 帝が そっと 私を抱き起こしてくださる。

 壊れ物を扱うように…優しいお手で。

「では 巳の刻(午前10時)に。迎えをやるから…。」

「…はい…。」

 すっと 降りてきた口づけを 素直に受ける。

 なんなりと
 命じられるまま 従うしかないのだ。

 …どんなことであろうと。

「…このまま ここに閉じこめて置けたらいいのに…ずっと…」
 
 絶大な力をお持ちの主
 帝の私を見つめる眼は あくまで澄み切って…まっすぐだ。
 
「そなただけが いてくれればいい…。」

 最後に また ぎゅっと抱きしめられた。

 …強い腕…たくましい胸…

 あの3日間

 絶対に
 離して くださらなかった
 許しては くださらなかった

 恐ろしい…無慈悲な いましめの綱…牢の壁…

 けれど

 この綱には…血が 通っている…

 この壁には 心の蔵が 脈打っている…

 勘違いしそうになる…思わず

 もしかしたら
 この方は 本気で 私を必要だと 思われているのかと

 まさか
 本当に 私を 想ってくださってるのではないか…と

 うっかり 抱きそうになってしまう!

 そんな
 愚かな 錯覚を!!

イラスト「るりびたき」(『十五夜』様より)
画像

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
ここら辺で他の女性たちも登場してきましたね。
笑顔の裏に隠した嫌味・・あ〜、大奥を思い出す(大好きでした!!)一月どころか逆に追い出されちゃうのは自分たちなのに(^^;)
なんかこの帝と蓮の女関係だ微妙にリンクしてるんじゃないかと思わずに入られませんね(笑)・・・・っていうことは蓮も12の時から・・(爆)
ことりん様、気分↑↑の時に書いていたものを冷静になっってみると物凄く恥ずかしい気持ちはわかります!!(あの時は何かが取り憑いていたとしか思えません)
李那
2008/02/28 23:56
李那様 コメントありがとうございます!

美しく優雅な笑顔の裏に…

外面如菩薩 内面如夜叉…女世界は 怖いものがありますよね ><;

ええ!もう!!
冷静になってみると すごく赤面ものです!^-^; とうてい 表には出せないものが!!
ことりん
2008/03/01 21:32

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