スキップ・スキップ・ビート!

アクセスカウンタ

zoom RSS 『出雲物語』〜こぼれ玉〜bR(side:楓)

<<   作成日時 : 2008/02/17 19:39   >>

なるほど(納得、参考になった、ヘー) ブログ気持玉 3 / トラックバック 0 / コメント 0



「よくきてくれた!楓!無理を言ってすまなかった!!」

 有馬の宿。
 
 京からはるばる出向いた私を見て 兄上がうれしそうに叫んだ。

「…楓殿?どうして そなたが…。」

 帝が ぼうぜんとなさってる。
 そのお隣…帝に肩を抱かれておそばにおられる小柄で可憐な少女…。

 この方が…
 兄の手紙にあった…出雲の巫女姫…。玉藻様。

 確かに とても愛らしいご容姿…。

 でも

 お、おいくつ この方?!

 まだ 13か14?どうみても 幼い!

「私が 早馬を出しておいたのです。有馬まで出迎えてほしいと。」

「このようなところまで、わざわざ?あと3日もあれば 京につくのに…。」

「女性には 女性にしかわからぬこともあります。
 京につくまえに 玉藻様に お教えすることもありましょう。」

「それは…楓殿なら…安心して 任せられるが…」

「ええ!それに これで 私も 毎夜 爆竹やとりもち 仕込む必要がなくなりますし。」

「…祐規…」

 なんともいえない うらめしそうな帝のお声…

 爆竹?とりもち?

 なんのことだろう…??


「か、楓様は、三条様のお妹様なのですか?」

 玉藻様のために用意された趣のある離れ
 庭に露天風呂もある…ごうしゃなお部屋だ。

「どうぞ 楓とお呼び捨てください。本日より 私は 玉藻様にお仕えする女房です。」

 遠慮がちな玉藻様のお言葉に 頭を下げて答える。

「そ、そんな 失礼はできません。楓様!
 …私は…13年前の夏 出雲大社に捨てられていたみなしごなのです。」


「…え…。」

「…まだ 生まれて間もない赤子でしたから…実の親さえ わかりません。
 こんな…卑しい 身の上で…。」


 はらはらっと 涙をこぼされる。

「どうして京の…宮中になど 参れましょう!しかも 妃としてなどと…!」

 …。

 なるほど

 兄が
「なんとしても かばってさしあげたくなる 可憐なお方なのだ!
 おまえ以外に 信用のおけるものはない!どうかお仕え申し上げてくれ!!」

 …と
 文で 必死に頼み込んできた理由がわかった。

 思わず抱きしめて差し上げたくなってしまう…。立場をわきまえず!

 それにしても…
 13年前の夏…赤子…だった!?

 やはり
 まだ 本当に 子どもといっていい…幼い方!

「どれほど…ふつりあいなのだと おそれおおすぎるのだと…帝に 訴え申し上げても…
 まるで お耳を貸してくださらないのです。」


 けれど

 聡明な 心正しいお方だ!

 わずかなお言葉で すぐにわかった!

「玉藻様 帝は 一時のおきまぐれで 行動なさる方では ありません。
 真実 玉藻様を 妃となさりたいのです。」

 武芸一辺倒で
 後宮通いも あまり ご熱心でない

 無骨な方だと思っていたけれど…
 要するに 女性の好みにうるさかっただけらしい。

「これもご縁とお思いになり…宮中で 妃として 新たな道を歩まれるのが…
 出雲の大神様のおんはからいかと…。」

 見るからに
 帝は この方に夢中のようだ

 絶対に 出雲に帰しはなさるまい。

「3日後 京に着かれたら すぐ婚姻の儀式を行う手はずは整っております。」

「…っ!」

 たちまちにして 蒼白になられてしまったお顔は 見ないようにして続ける。

「…儀式に必要な…手順のあれこれ…ご伝授させていただきます…。」

 玉藻様は 何もおっしゃらず…うつむいたまま 震えておられる。

 どうしよう

 自分がとんでもない悪事に荷担したような苦い気分!

 でも

 やがて 玉藻様は しずかに面をあげられた

「…ええ…どうぞ…よろしく ご伝授…くださいませ。」

 そっと つぶやかれた。

 哀しく あきらめに満ちた表情に 胸が詰まって 何もいえず その場に平伏した。

テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ
気持玉数 : 3
なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
かわいい

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(0件)

内 容 ニックネーム/日時

コメントする help

ニックネーム
URL(任意)
本 文

スキビ素敵サイトさま

『出雲物語』〜こぼれ玉〜bR(side:楓) スキップ・スキップ・ビート!/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる