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zoom RSS 例えば君がいなくなったら【「鶴レンガどうするバトン」bP】

<<   作成日時 : 2009/10/21 19:32   >>

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■問一■
人気の無いところで、ショータローがキョーコを抱締(ぎゅう)している場面に遭遇しました。
後ろを向いているためキョーコの表情は分かりませんが、
こちらと目が合ったショータローはふてぶてしい笑いを浮かべています。
さて、どうしますか

では、◆A1◆です。

                      


  例えば君がいなくなったら

「うっ!」

 ?

「社さん?」

 なんだ?

 いきなり
 廊下の真ん中で立ち止まって…

「あー、れ、蓮!あっちの道に行こうか!」

「は?なんで わざわざ 遠回りを…」

 目的地への最短ルート行ってるのに

「風水的に!今日は、方違えをしたほうがいいんだー!!」

 ふうすい?

「かたたがえ…って」

 俺をおしもどそうとする 社さんの必死な手に 思わず気おされる

 ふわんっ

 …!

 この…さわやかで甘い 奥ゆかしい香りっ

 最上さんっ!

 っ!?

 香りの元をたどるべくそちらに目をやった俺の目に映ったものは…

 最上さん!

 後姿しか見えないが 俺が 彼女を間違えるはずがない

 …だが…

 どういう

 どういうこと…だ!?

 不破!

 なぜ おまえが

 彼女を 抱きしめているんだ!?

 俺の怒りの波動が伝わったのか
 不破が 何かに気づいたかのように 顔を上げた。

 にらみつけていた俺と目が合う。

 ふっ

 ヤツが あざ笑うように 唇をゆがめる

 …っ!

 こ、こいつっ!!

 引き離してやる!

 ぶん殴ってでも…!!

「ショ、尚!も、もう大丈夫だから…!離して!」

 ヤツの胸の中
 最上さんのか細い声が

 俺の 歩みを 止めた

「コンパクト」

 ヤツは それでも 彼女を放さない

「その どぶす面 直してから…だ!おまえも 女優のはしくれだろ」

 あわてて 彼女が ごそごそ かばんから道具を取り出し 化粧を直してる

 ヤツの 胸の中で…!

「お、終わったから!離れて!!」

 彼女が ヤツの胸を 押し
 ようやく ヤツも 腕の囲みを解いた

「なんだよ、人が親切に囲いになってやってたのに 愛想ない」

「あ、あああ、あんたに振りまく愛想なんか ひとっかけらもないわよっ!!」

「TV局の中 歩いてるときは 周りじゅうに ふりまいてろよ 女優なら…な!」

「うっ!」

「少なくとも…あんなツラさらして歩くな はためいわくだ」

「…っ」

 『あんな』

 ― RRRRRRRRRRR ―

「おっと」

 ヤツが 即 携帯に出る

「もうすぐ出番だとさ、じゃあな」

 ほどなく閉じた携帯 後ろ手に振りながら 最上さんから離れていく

 最後に ちらりと 俺を見やる

 ふふんっと 鼻先で笑いながら…!

 !

 この野郎!

 ― ぱぁーん!―

 !?

 も、最上さん!?

「最上さん!ダメだよ!女優が!自分のほっぺ そんなに強くはたいちゃ!」

「きゃー!つ、敦賀さん!?い、いつから そこに…」

「え。えーっと お、音に驚いて そしたら 君が…」

 はっ

 まずい!

 この口実は 時系列的に矛盾がある!

「し、失礼つかまつりました!大先輩のおみ足をおとめするなんて失礼千万!
 このご無礼 どうかひらにご容赦のほど…」


 …。

 そういえば
 今 彼女 時代劇に出てたっけ…

「い、いや そんなことは いいから…」

 ほっ

 音で気づいたんなら
 ほっぺ たたいてる場面なんか 見えるはずないという事実には 気づかないでくれたらしい。  

「最上さん 今日は もう 終わりだよね」

「は、はい」

 当然

 彼女のスケジュールは 全て把握済みだ
 
「じゃ、帰ろう。ここで 偶然 会えたのも 何かの縁だし」

「15km先の撮影現場から わざわざ きといて なにが『偶然』…」

「ついでに 夕飯食べよう おごるよ」

 なにか 小声でぶつぶつ言ってる社さんは無視して 彼女に微笑む。

「い、いえ そんな!めっそうもございません!私…」

「ハンバーグが すっごくおいしい店 リサーチしたんだけど。
 しかも 内装がファンタジックでメルヘンチックな」


「ぜひ!お供させてくださいませ!!」

 
画像



 レストラン 『ミューズの泉』
 
 リサーチどおり
 これでもかっというほど メルヘンチックでファンタジックなイメージで 統一した店だった

 借り切った個室は
 床全体が大きな切り株風

 木の葉を模したいすには 作り物の天道虫が止まってる

 大きな木の輪切り風のテーブルには どんぐりをかじってる リスの像が3体

 足元にはうさぎ

 テーブルにもたれて寝る小熊

 窓際には 大きなりんご型の噴水
 中央から 刻々と表情を変えながら 水を噴出している

「きゃー♪可愛い すてきぃ〜」

 ほほをそめて 一つ一つの仕掛けに おおはしゃぎな彼女

 そんな君が 他のどんなものよりも 素敵で可愛い…。
 
「社さん ご一緒できなくて残念ですね!こんなに 素敵なお店なのに!」

「ホントにね」

 敏腕マネージャーは
 急な仕事が入ったからと なぜか真っ青な顔で 震えながら 断固 同行を拒んだ。

「今の仕事、どう?」

 しばらくして さりげに 核心を切り出す。

 化粧を直さなければならないほどの
 『あんな』顔…って 仕事がらみじゃないかと推理して

 ― かちゃん ―

 とたん
 彼女が フォークを取り落とした

「…最上さん?」

「え。あ。じゅ、順調…デス。し。新開監督も すごく はりきってらして…」

「台本」

「え?」

「今日の撮り分 見せて」

「え、あ、あの」

「見せて」

「は、はい!」

 彼女が あわてて 差し出した台本 たーっと 流し読みする

 彼女の役柄は 貧乏な武士の娘
 しかし 頭がよく 行動力があるため 厄介ごとの処理を頼まれることがよくある

 彼女を主役に市井の人情話をからめた 1話完結式の推理ドラマ…

 っ!

 読んでいくうちに
 彼女が ひっかったのであろう箇所を発見した!

 すっと立ち上がり とまどう彼女を抱きしめた。

「あ、あの?つ、敦賀さん?」

「…例えば 君が いなくなったら…」

「は?」

「俺は きっと 生きていけない」

「え?え?!」

「君の存在自体が 俺にとって何よりの 宝だ」

「…!敦賀…さん!」

「最上さん…」

「ありがとうございます!!」

「…は…?」

「敦賀さんって!本当にお優しい先輩ですね!」

「はい?」

「…その台本で 私がおちこんでたこと 鋭くも 見抜かれたんですよね!」

 ふるえながら 彼女がうつむく。

   ― 「やっぱり 血のつながった母と子。わかりあえてたんだなぁ、心のそこでは」 ―

   ―「ええ。『子どもは 宝』と 万葉の昔から 歌っておりますもの」 ―

「ダメですよね、私!何気なく演じたはずだったのに、OKだってもらったから、ごまかせてたと思ったのに」

 ぽかぽかぽかぽか

 彼女が自分で自分の頭を げんこで殴る。

「腐れ縁のあほショータローには すれちがいざま 見抜かれたし!」

「!!」

「…敦賀さんも すぐ おかしいと思われたんですよね。だから、こうして…」

 彼女の大きな目に涙が盛り上がる。

「敦賀さんには いつも勇気をと力いただいてます。ありがとうございます!」

「最上さん…」

 その涙を 唇で吸い取る。

「っ!!つ、敦賀さん!?」

「言ったろ?」

 真摯にその瞳をみつめ
 改めて ぎゅっとその震える体を抱きしめる。

「君は 俺の宝だ」

「!!」

 次の瞬間
 彼女のほうの手も

 ぎゅっと 俺を抱きしめてくれた。

「私にも…」

 俺の胸の中
 消え入りそうな声で 彼女がつぶやく

「あなたが この世で一番の…宝…です…」

 例えば 君がいなくなったら

 俺は…きっと 生きていけない…

        ― 01. 例えば君がいなくなったら【「鶴レンガどうするバトン」bP】 Fin ―

イラスト「Snow White」【HEAVEN'S GARDENさま】

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