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zoom RSS 『出雲物語』〜こぼれ玉〜 bQ(side:政親)

<<   作成日時 : 2008/02/17 19:36   >>

驚いた ブログ気持玉 4 / トラックバック 0 / コメント 0



「ど、どうして 玉藻の部屋を 別に取る必要が!」

 出雲を発って京に帰る道。

 一夜めの宿場。
 瀬戸内に面した 港でにぎわう町。

「いやだ!絶対に そばから離したくない!」

 とんでもないことを言い出した祐規に もうぜんと抗議する。

「…道中 ずっと 輿で ご一緒でしたでしょう…片時もお放しにならず…。」

 ぐっ…!

 み、見てたのか?!

「…見なくとも あなたのなさりそうなことは わかります。
 だてに長い付き合いでは ありませんので…。」

 ぐぅうう〜!

 従兄弟で幼馴染…!
 お互いに わかりあいすぎてるのも よしあしだ!

「な、なら!私の気持ちは わかってくれるだろう!?」

 生まれて初めてなんだ!

 これほどに…どうしても 自分のものにしたいと望んだのは!

「一目見た瞬間…つかまってしまった…。」

 もどかしい!
 この想いを どうやってあらわせばいいのかわからない!

「…ですから…おいい付けのままに 玉藻様を お連れしたでしょう?…かどわかし同然に…」

 なっ…!

「ちゃ、ちゃんと親の許しは得たのだろう!?」

「…ええ…育ての親の…は。」

「それなら!何の問題がある!?」

 ふぅ…

 祐規が なにやら重い息をはいた。

「…政親様…」

 …!!!

 か、彼が
 こんなふうに険しい目つきをするときは 要注意だと

 長年の経験が 告げている!

「玉藻様は 人形ではない。お心の通った人間…しかも 幼い少女…。」

 祐規は 冷然と続ける。

「…おかわいそうに…先ほど 輿からお降りになったとき 
 真っ青でふるえておられたではありませんか…。」

「な、なにも してない!まだ…!!」

 ほ、ほんのすこし 抱きしめて
 ちょっと 口付けただけ!ただ それだけの…!!

「ともあれ…京につき 正式に儀式をあげるまで 玉藻様と 同衾はなりません。
 ご無礼ですよ、玉藻様に対して。」

「あ、あと7日も 辛抱しろと!?」

「…儀式も行わぬうちに…伽を申し付けるおつもりだったのですか…。」

 じろっと 冷たい目でにらまれて ちぢみあがった。

「そ、そんなつもりでは!
 …た、ただ…そばに置いておきたいと…。」


「失礼ですが…あなた様は それだけで我慢できるお方とは思えません。」

「ぐっ!」

 は
 反論できないのが 悔しい!

「今日の昼、出雲から連れ出したばかりの…しかも 数え14の幼い少女を…
 今夜 すぐに寝室で伽をさせる…などと 血も涙もないことをおっしゃるなら
 私は もういちど 玉藻様を 出雲まで お送りします。今すぐに。」

「な!?」

「正式に妃として丁重にお迎えする…というお話だったから 私は協力しました。
 その程度の いいかげんなお心なら…」

「わかった!待つ!京まで 辛抱する!!」

 こ
 こいつが こういう言い方するときは

 かけねなく 本気だ!!

「当然です。」

 祐規は こにくらしくも しれっとした顔で言い放つ!

「この7日…有効に ご活用なさって 出雲の巫女姫さまのお心を 
 少しでもほぐしてさしあげますように。」

 すき放題ほざいて やつは退出していった。

「…玉藻は…どうしてる?」

 近習の一人に そっと聞いた。

「は、はい。祐規様が手配なさった…奥のお部屋で。
 お疲れだったらしく ぐっすりお休みとのこと…。」

「当然…祐規が 入り口の部屋で宿直してるのだろうな…。」

「は、はぁ…ふらちなどろぼうねこが 入り込まぬよう…と おおせられて
 お部屋の周囲に鳴子やら爆竹やら なにやら さまざまに 仕込んでおられました。」

 …。

 やるか?!

 そこまで!!

 有能すぎる家臣ほど いやみなものはない!!

 ふぅ…

 どうやら…本当に…
 我慢するしかないようだ…京につくまでは!

 しかたない

 明日の移動中
 輿の中で 二人っきりになれたとき

 少しでも触れられることを 楽しみに…一人さびしく休むことにしよう…。

 夜着に替えて 布団にもぐりこむ

 この一夜があければ あと6日!

 京について 儀式さえすませれば!

 そうしたら もう!
 妻に出来るんだ!誰はばかることなく!!

 妻に出来たら もう離さない!
 一晩中 絶対に 離すものか!!

 昼間の
 玉藻の唇の甘さとやわらかさが よみがえる。

 おびえられて 泣かれてしまったので ほんのわずかな間しか味わえなかった…。

 数えで14…
 確かに…幼い…。

 私の胸の中で ずっと震えどおしだった…。
 
 つきんと胸の奥が痛む。

 大丈夫
 大丈夫だ!

 大切にするから!
 生涯 私の懐で羽ぐくむように慈しむから!

 きっと 私の心を受け止めてくれる きっと

 時間をかければ きっと!!

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